悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
そして年が明けて、新年。
1/4の夜。
灯里はベッドの上で晃人からのメールをじっと眺めていた。
晃人は元旦から今日まで親戚や取引先への挨拶回りに忙殺されていたらしい。
さすがに忍村の代表取締役の息子ともなるといろいろやることがあるのだろう。
落ち着いた頃に二人で初詣に行こうという話になってはいるが、いつになるかはわからない。
灯里ははぁと息をついた。
その時。
ブルルッと携帯が鳴り、画面が光り出した。
晃人だ。
「もしもし」
『俺だ』
艶やかなバリトンの声に、灯里は喉を詰まらせた。
声を聴いているだけでなぜか胸が熱くなる。
『明日から仕事始めだな』
「そうだね。晃くんは明日は忙しいの?」
『そうだな……。明日は一日中、挨拶回りの予定だ』