悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




土曜日。

灯里は白いセーターにウールのキュロット、ニットコートという格好で稲荷神社の前に立っていた。

参道の入り口には土産物屋が数軒並んでおり、灯里は参道の入り口で晃人を待っていた。


待ち合わせ時間まであと10分。

晃人はどんな格好で来るのだろうか?

と灯里が辺りを見回した、その時。

後ろからガサガサと物音がし、灯里はとっさに振り返った。

その瞬間。


「……っ!!?」


灯里の後ろから腕が伸び、物凄い力で肩を掴まれた。

そのまま後ろの草叢へと引きずりこまれる。


驚き顔を上げた灯里の瞳に、茶髪の若い男達の姿が映る。

人数は二人、どちらもチンピラのような人相をしている。

男たちは灯里を問答無用で土産物屋の脇の路地へと引きずり込んだ。


一体これは何なのか?

灯里は慌てて手を外そうとしたが、男たちの力は強く、もがいても外れない。


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