悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
灯里は痛む口を動かし、はっきりと言った。
朝子は驚いたように灯里を見つめた後、ゆっくりとその頬を歪ませた。
「……そう。じゃあ仕方ないわね」
朝子は言い、灯里の両腕を掴んでいる男たちに何やら目配せする。
灯里は背筋がぞっと冷えるのを感じた。
朝子はくすりと笑い、綺麗な唇を開いて言う。
「晃人の前に立てない体にしてやって頂戴」
朝子は言い、踵を返した。
男たちは灯里の両腕を強く掴み、肩を揺らして楽しげに嗤う。
灯里は男達に引きずられながら、遠ざかっていく朝子の姿を呆然と眺めていた……。