悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
それからのことは一言でいうと。
――――悪夢だった。
灯里の抵抗を物ともせず、男たちは灯里を路地の裏へと引きずり込んだ。
そのまま押し倒され、片方の男が灯里を羽交い絞めにし、もう一人の男が灯里に覆いかぶさる。
灯里は男たちの意図を察し、青ざめた。
「……っ、いやっ!!」
灯里は恐怖のあまり叫び、必死にもがいた。
が、相手が男二人では敵うはずもない。
叫んだ灯里の唇に男の唇が強引に覆い被さる。
その生臭い吐息に灯里は体中が一瞬で穢れたような気がした。
――――何が何でも、こいつらの思い通りにさせるわけにはいかない。
灯里は恐怖の中、男の唇にガリッと噛みついた。
怯んだ男の隙を突き、脚で蹴飛ばそうとする。
が。
「……ってえっ!!」
噛みつかれた男はギロリと灯里を見、容赦ない力で灯里の頬を引っ叩いた。
まるで耳の脇で何かが爆発したかのような衝撃に、気が遠くなる。
くらっと頭を傾いだ灯里の胸元を、男の手がぐいっと掴む。