悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
4.昏い瞳
一時間後。
灯里は晃人とともに病院にいた。
一通りの検査と処置を受け、気付いた時には13:00を過ぎていた。
灯里は待合室の長椅子に座り、呆然と宙を見据えていた。
一体自分の身に何が起こったのか……。
今でも信じられない。
けれど頬の痛みは現実だ。
もし晃人が来てくれなかったらと思うとぞっとする。
灯里は肩に腕を回し、震える体をぐっと抱きしめた。
「……」
灯里の隣で、晃人は腕を組んで何かをじっと考え込んでいる。
いつも優しい眼差しを向けてくれる幼馴染が、今は鋭い視線を宙に向けている。
その冷やかさに灯里は息を飲んだ。