悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
「……晃、くん……」
灯里が呼ぶと、晃人ははっとしたように灯里を見た。
痛ましげな瞳で灯里を見、手を伸ばしてそっと髪を撫でる。
「痛いか、灯里?」
「……ん、ちょっと……」
「すまない。……全て俺のミスだ。まさか、こんな……」
晃人は苦しげに瞳を伏せ、灯里から視線をそらした。
これまでにない晃人の態度に灯里は息を飲んだ。
――――晃人の瞳によぎる、鋭利な刃物のような昏く鋭い影。
灯里は晃人の手にそっと手を伸ばした。
「晃くん……」
「……灯里……」
「大丈夫だよ、こんなのすぐに治る。けど……」
灯里は言いかけ、言葉を止めた。
朝子の憎しみに満ちた視線が脳裏をよぎる。