悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
体の痛みより、心の痛みの方が深く、鋭い。
晃人を愛するあまり、こんなことまで平気でできる……その狂気じみた愛情が、胸に痛い。
灯里の背筋にぞっと寒気が走る。
身を強張らせた灯里の肩を晃人がそっと掴んだ。
「灯里、そろそろ行くぞ」
「あ、うん……」
晃人の手が灯里の腕を掴み、ゆっくりと立ち上がらせる。
灯里の背を抱くように、晃人の腕がそっと灯里の背に回る。
その温かさに、灯里は心の底からほっとするのを感じていた……。