悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
10分後。
ジーマは住宅街の中にあるマンションの前で止まった。
マンションは5階建で、晃人の部屋は5階の端部屋にあるらしい。
晃人に連れられ、灯里はマンションのエントランスをくぐった。
そのままエレベーターで5階に上がり、部屋に入る。
「お邪魔します……」
リビングに入った灯里は思わずまじまじと見回した。
黒と白で統一されたモノトーンの空間に、赤やオレンジの小物やクッションがバランスよく置かれている。
まるでモデルルームのような部屋だ。
リビングの奥には広いキッチンとダイニングが見え、その手前に書斎と寝室がある。
広々としたその空間に灯里は感嘆の声を上げた。
「へぇ……」