悪魔のようなアナタ ~with.Akito~




<side.晃人>



昼食の後。

リビングのソファでうとうとし始めた灯里を、晃人は抱き上げて寝室へと運んだ。

ベッドにそっと横たえ、布団を掛ける。

まだ灯里が幼い頃もこうして晃人の部屋で灯里に昼寝をさせたことを思い出す。

晃人はそっとベッドの脇に腰かけ、灯里の頬に手を伸ばした。


痛々しい傷跡と、ガーゼに染みこんだ薬の匂いに晃人の胸が染みるように痛む。


「灯里……」


晃人は灯里の髪をそっと撫で、ぎりっと唇を噛み締めた。

灯里がどれだけ痛く、辛い思いをしたのか……。

考えただけで心が引き千切られるように痛む。


今回のことは灯里に全く落ち度はない。

むしろ落ち度は自分にある。


病院に行く前、灯里は何があったのかを晃人にざっと話した。

灯里にしてみれば青天の霹靂だっただろう。

晃人もまさか朝子がこんな行動に出るとは思ってもみなかった。


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