悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
晃人は灯里を見つめながらぐっと手を拳に握りしめた。
自らの甘さが招いた現実に、晃人の胸の奥がすっと冷えていく。
これまでずっと守ってきた、誰よりも何よりも大切な幼馴染……。
灯里の傷ついた姿を見るのがこれほどまでに辛いとは思いもしなかった。
晃人は目元を押さえ、唇を震わせた。
――――もはや、甘さなど不要だ。
灯里を護るためなら自分は鬼にでも悪魔にでもなれる。
例え灯里の目に自分がどう映ろうとも……。
「灯里……」
晃人は眠る灯里の横顔をじっと見つめた。
あのクリスマスの夜。
晃人は灯里の心が揺れていることを知りつつ、それでも灯里の手を強引に取ってしまった。
灯里を誰にも渡したくない、その一心で……。
灯里はあの夜、全身で晃人を拒絶した。
――――気持ちはあっても、心が追い付かない。
灯里の心の動きが晃人には手に取るようにわかった。