悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
あれから朝子は接触してきていない。
が、あれで引くとは到底思えない。
何かあったらすぐに言えと晃人は言ってくれたが……。
どうすればよいのか、いくら考えても答えは出ない。
あの時の様子からして朝子が晃人を諦めることはないだろう。
となると灯里が身を引くまで、今回のようなことが起こりうるのだろうか?
何かされることも怖いが、あの眼差しに潜む悪意はもっと怖い。
灯里は思いを振り切るように顔を上げ、洗面所を出た……。