悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
2.恋の終わり
夜。
灯里はベッドの中で、重人の言葉を何度も思い出していた。
『忍村での晃人の立場がどうなるか。想像はつくだろう』
灯里は枕に顔を埋め、布団を握りしめた。
目尻に涙が滲む。
晃人の立場、身分の違い……。
これまで目を背けてきたこと全てが一気に圧し掛かってきた感じだ。
――――これが、現実なのだ。
晃人に好きだと言われたことを今は心の底から嬉しいと思っている。
そして灯里もこれ以上ないほど晃人のことを好きになっている。
けれどもし自分を選んだら、晃人は……。
「……っ、晃くん……」
晃人をもっと知りたい、晃人を受け入れたいと思っていた。
けれど……。
今ならまだ引き返せるのかもしれない。
これ以上進まなければ、これ以上晃人を好きにならなければ……。