悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
夜。
灯里は晃人からのメールを前にじっと考え込んでいた。
『今度の週末、ドライブにでも行かないか?』
あの日以来のデートの誘いだ。
これまでならばすぐに行くと返信しただろう。
けれど……。
晃人と一緒に居ると灯里はどうしようもなく晃人に惹かれてしまう。
どんどん、のめり込むように好きになっていく。
終わらせなければならない恋なのに……。
これ以上好きになるわけにはいかない。
「晃くん……」
自分の気持ちが落ち着くまでは晃人に会うわけにはいかない。
灯里は震える手でメールを打った。
『ごめんね、その日は友達と約束があるの』
打ち終わって送信ボタンを押した瞬間、涙が滲んだ。
灯里は肩を落とし、力なく携帯を閉じた……。