悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
『いつまでも待つ』と灯里に言ったことは嘘ではない。
ただしそれは灯里が晃人の方を向いている間は、だ。
もし灯里が自分から離れようとしているのならば……。
――――容赦は、しない。
灯里を護りたい、傷つけたくないと思う気持ちはある。
けれど灯里が自らの手の内にいないのであれば、いくら護ろうとしても灯里が傍にいないのであれば意味はない。
――――庇護欲と支配欲。
晃人の灯里に対する気持ちの中にはその二つが同居している。
晃人は携帯を閉じ、立ち上がった。
その目は昏く、刃のような鋭さを放っていた……。
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