悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
――――10分後。
晃人のマンションに連れて来られた灯里は、晃人に言われるがままリビングのソファに腰を下ろした。
その斜め向かいに晃人が歩み寄り、足を組んで座る。
「……っ……」
晃人の瞳がじっと灯里を見つめる。
針のような視線に、灯里は唇を噛み締め俯いた。
晃人が怒っていることも、その理由もなんとなくわかる。
けれど何をどう言えばいいのかわからない。
「……灯里」
低いバリトンの声が灯里の耳を打つ。
いつもは灯里に対する優しさで満ちているのに、今は感情がない。
「説明しろ、灯里。なぜ俺を避ける?」
晃人は灯里を見つめ、真剣な声で言う。
灯里はこくりと息を飲んだ。