悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
はっきり言わなければ晃人は納得しない。
きちんと筋道立てて説明しないと、晃人が納得することはない。
昔からそうだった。
灯里の脳裏に晃人との懐かしい想い出が走馬灯のようによぎる。
晃人は昔からずっと一緒に居た幼馴染で、昔の楽しい想い出の中には必ず晃人がいる。
――――この温かい、懐かしい想い出も捨てなければならないのか?
そう考えただけで心が裂けそうに痛む。
けれど晃人の将来のためには、ここでこの恋を終わらせなければならない。
晃人の将来を自分が潰すわけにはいかないのだ。
灯里はぐっと手を拳に握りしめ、震える唇を開いた。
「……もう、終わりにしたいの」
「なぜだ?」
「いろいろ考えたんだけど……。あたし、やっぱり……」
灯里は俯いたまま震える声で言った。
胸がズキリと痛み、心が血を流し始める。
「晃くんのこと、幼馴染としか……」
「嘘をつくな」