悪魔のようなアナタ ~with.Akito~
晃人の強い声が灯里の言葉を遮った。
その声に込められた想いを感じ、灯里は自分の心が引き千切られるような気がした。
灯里は耐えられない痛みの中、想いを振り切るように目を反らして言った。
「嘘じゃない。あたし、晃くんのこと……好きじゃない。嫌いなの」
語尾が震え、声が掠れる。
はっきり言わなければ晃人には伝わらない、けれど……。
まさかこんな言葉を自分が晃人に対して使う日が来るとは思ってもみなかった。
――――こんな言葉、一生使いたくはなかった。
ずっと自分を護ってくれた、優しい幼馴染をこんな形で傷つけるなんて……。
自分の不器用さが、今は心底憎い。
もっと大人なら、こんな形で晃人を傷つけなくて済んだのかもしれないのに……。
俯く灯里を、晃人が目を見開いて見つめる。
その瞳は信じられないといったように灯里を見つめていたが、やがて激しい怒りに染まっていく。