不格好な恋愛。~Special Short Novel~
また瞼を閉じていてもわかる光の強さを感じた。
朝だ。
一体いつ寝たのだろう。
王子様とキスをしたのは覚えている。
でも、そのあとから先のことが全く覚えていない。
まさか…覚えていないけど王子様と……!?
有り得なさそうで有り得そうだったので、とりあえず目を開けて起きていろいろ確認することにした。
が、目を開けて異変に気付いた。
隣に王子様がいない。
王子様どころか、昨日までいたはず場所じゃなくなっている!!
「…戻ってきた…」
そう、今いるのは自分の部屋。
向こうの世界に行く前にいた部屋。
あたしがお嬢様としてではなく、学生として生活しているときに使っている部屋。
格好もドレスじゃなくて、向こうの世界に行く前の格好だ。
「やっぱり夢だったんだ…」
カーテンを開けようと思って窓まで歩いて行った。
すると、視界にあの鉢に植えられているお花が目に入った。
魔法使いのおばあちゃんでもいるかなと思ってお花の中を探した。
けどやっぱりいなくて。
夢の中だけだったけど、幸せだったな。
カーテンを開けて太陽の光を浴びて伸びをした時だった。
窓に自分の姿が映ってビックリした。
首元に太陽の光を浴びて光る、これの正体。
やっぱり夢じゃなかったんだね
~END~