不格好な恋愛。~Special Short Novel~


また瞼を閉じていてもわかる光の強さを感じた。

朝だ。

一体いつ寝たのだろう。

王子様とキスをしたのは覚えている。

でも、そのあとから先のことが全く覚えていない。


まさか…覚えていないけど王子様と……!?


有り得なさそうで有り得そうだったので、とりあえず目を開けて起きていろいろ確認することにした。



が、目を開けて異変に気付いた。


隣に王子様がいない。

王子様どころか、昨日までいたはず場所じゃなくなっている!!



「…戻ってきた…」




そう、今いるのは自分の部屋。

向こうの世界に行く前にいた部屋。

あたしがお嬢様としてではなく、学生として生活しているときに使っている部屋。

格好もドレスじゃなくて、向こうの世界に行く前の格好だ。


「やっぱり夢だったんだ…」


カーテンを開けようと思って窓まで歩いて行った。

すると、視界にあの鉢に植えられているお花が目に入った。

魔法使いのおばあちゃんでもいるかなと思ってお花の中を探した。


けどやっぱりいなくて。


夢の中だけだったけど、幸せだったな。


カーテンを開けて太陽の光を浴びて伸びをした時だった。


窓に自分の姿が映ってビックリした。



首元に太陽の光を浴びて光る、これの正体。




やっぱり夢じゃなかったんだね






~END~

< 14 / 28 >

この作品をシェア

pagetop