不格好な恋愛。~Special Short Novel~
「ちょっとー今度さぁ、本当に遊ぼうよ!!」
あたしはいつものようにいつものテンションで彼に話しかけた。
「いや、だから俺はいつでもいいって…」
「ホントに!?企画しちゃうよ!?」
彼と話せるだけで嬉しくて
彼があたしに反応してくれてることが嬉しくて
楽しくて
ついテンションが上がってしまう。
彼はあたしのバイト仲間。
あたしが入る前からこのバイトをやっていて
同じ年だけどバイトでは先輩なんだ。
まぁ、キッチンとホールスタッフっていう役職は違うんだけどね。
普段から無口であんまり愛想の良くない彼を
あたしは入ったときから気になっていたのかもしれない。
口数があまりにも少ないし
役職違うから仕事で言葉を交わすときもないし
彼は謎に包まれた存在だった。