真夏の海のシンデレラ
突然話し始めた彼にビクっとしながらも、ちゃんと答えようと心がける。



「あ、俺自己紹介してないよね? 今さらだけど、若槻浩二、二十一歳大学生です。」


と言って手を出され、またビクっとしながらも、


「ヒ、ヒナ、川越ヒナ、です。 今高校三年で、十八歳です。」


出された手をそっと握り返し、私たちは互いの自己紹介と共に握手を交わした。



それからはお互いの住んでいる所や、浩二さんのバイトしている海の家の事や、お互いの友達の事なんかを話していた。


私たちはかなり遠くまで歩いてきた。



「ちょっとその辺座る?」

 私がいつも行くスポットとは違う雰囲気の、そこへ二人で腰掛け、また色々なことを話した。


もっぱら、私は緊張しているから、そこまで話せず、彼が話している時間の方が多かったが、私もだんだんと自分の事を話せる様になってきた。
< 24 / 84 >

この作品をシェア

pagetop