真夏の海のシンデレラ
実りかけた恋

二人の時間

あの日以来、私はますます湘南に足を運ぶようになった。


リエも、最近付き合いだした彼を連れ、三人で浜でのんびりする事が多くなった。


浩二は遅くても五時には仕事を上がれるから、リエ達が先に帰っても、


一人で彼を待つ数時間は全然苦ではなかった。


むしろ、その一人の時間が私は好きだった。


やっとの事で実った恋。


一年越しの恋。


その相手を待つ時間が、とても穏やかで、私は幸せを噛み締めることで


精一杯だった。
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