真夏の海のシンデレラ
席に着いた私たちは当たり障りのない会話をした。


家の場所、家族構成、湘南に行く回数、好きな歌手など。


快くんはすごく話しやすく、会話は途切れなかった。


快くんがこの質問をするまでは。


「ヒナちゃんさぁ。よく湘南で一緒にいる人・・・彼氏?」


「・・・・・・」


目をそらしてしまう。


「ごめん。俺さ、何回か二人でいるとこみかけたんだよね。それ以来ヒナちゃんナンパするの止めたんだけどさ。俺別に女の子みんなナンパしてるとかじゃなくって、ただ単にヒナちゃんの事すごくタイプっていうか・・・性格とか知らないけど、なんか知りたいなって思ったからさ・・・・」



「彼ね、命の恩人なんだ。」


「え?」


「でもね、もう会わないから。彼女いるみたいだし、私遊ばれたっぽい」


「・・・・・ヒナちゃんさぁ。良かったら、友達からでいいから、付き合ってくれない?ヒナちゃんの事もっと知りたい。」


真っ直ぐな瞳は私をドキっとさせた。




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