真夏の海のシンデレラ
「これから話すことは、私も考えて考えて、考えた末の答えだから・・・だから、ちゃんと言うね。」


快くんは黙ってコクリと頷いた。


「私、多分浩二は嘘をついてなかったと思うの。きっと、愛海っていう子が、私達が一緒にいるの見つけて、それであんな事したんだと思う。でもね・・・・悪いのは彼女じゃないの。もちろん、浩二でもない。 私なの。 私の弱さが、浩二を信用できずに、勝手に逃げて、きっと彼をすごく傷つけたと思う。だからね・・・浩二にちゃんと謝って、許してもらおうとかも最初は考えたよ。もちろんね。だって、すごく大切な人だから・・・」



快くんの目には涙がたまっていた。


その最初の一滴が彼の頬を伝う前に、私の目から涙がこぼれた。



でも二人とも、お互いの目から目を反らさなかった。



「でもね・・・・・・それは違うって思った。私はもう彼を充分傷つけて、それはもう修復できないの。私は、今私にとって大切な人をまた傷つける事は、絶対にしたくないし、しちゃいけないと思う。浩二への償いは、私が強くなる事でしたい。強くなって、相手を信じる事を、絶対に誰にも邪魔されたくないの。」
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