【短編】君が好きなんです。
「やったぁ!!ありがとう珠輝くん!!」
「……べつに」
無表情のまま表情を変えることなく、教室に入って行く珠輝くん。
そしてまた女の子たちに話しかけられる。
「……はぁ」
珠輝くんとはもう、放課後まで話せなくなっちゃった。
もう少しだけ、一緒にいたかったな。
放課後まで待つのはすごく長くて、どうしようもないくらい苦しくて。
時々泣きたくなる。
珠輝くんはあんなに無愛想だけど、ほんとはすごく優しいことを知ってる。
だからその優しさが嬉しかったりする。
「珠輝くん、一緒に帰ろう!!」
待ちに待った放課後、珠輝くんと一緒にいられるチャンス。