同居人はNo.1ホストー1ー213ページまで修正
「もしもし……」
「久しぶり、捺海ちゃん」
携帯からは、どこかで聞いたことのあるような男の声がした。
どこかで、聞いたことがある声ー……
あたしは、聞き覚えのある声の男を思い出そうと必死に頭の中で考えた。
うーんっとー………
あっ、春綺君だ!!
酔ってたから記憶が、曖昧なんだよね。
「久ぶり、春綺君」
こんな時間に春綺君は、あたしに一体何の用だろ。
「尚希の様子は、どう?」
「うん、熱も下がって来たから……もう少し休めば治るよ」
あたしは、春綺君と話ながらベッドで寝ている最低男をチラッと見た。
「そっか、良かった……
尚希に、お大事にって言っておいて」
あたしが、尚希の病状を伝えるとホッとしたような声が携帯から聞こえて来た。
「うん、分かった」
優し……春綺君……
ずっと、最低男のこと心配してたんだ。
そんなことを思っていた瞬間、あたしはあることに気付いた。