人形の微笑
「…………らしいね」
その言葉と共にぎゅうっ、
と腕の力が強まる。
……少し苦しいが、話すのに支障は無いだろう。
「実は昨日の夜、依頼主から暗殺の実行要請が来まして。
本来なら明日の早朝にでも、クロアを殺す予定でした」
淡々と紡がれる事実に、クロアの額から一筋の汗が流れ落ちる。
けれど、リリスの口調は変わらない。
「――しかし、先ほどのコルトの口ぶりから察するに……
クロアを殺そうとしている私も、命を狙われているようですね」