人形の微笑




「……なんで…?」


クロアの当惑に満ちた声に、リリスは自分の推測を述べる。


「恐らく…依頼主の情報を握っている私を消して、口封じするため、ですかね」



私がクロアを殺した直後に、『王子を殺した人間』として私をその場で殺せば万事解決だろう。


元々、王族の命を狙う時点で『反逆罪』なのだから、


自分を殺しても文句を言う人間は誰も居ないだろうし。


自分の依頼した[冷酷人形]を自分の手ですぐに殺せば、情報の流出する心配は無い。


……そんな所だろう。



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