人形の微笑




『死の間際まで、施設に頼って生き長らえたく無いですしね』


リリスは一つ頷くと、



「…………クロア」



静かに問いかける。



「私のひらめいた作戦は、簡単に言うと危険です」



一歩間違えれば、二人共死ぬかもしれない作戦。


それも、様々な不確定要素が大量に盛り込まれている。



「その上で、その作戦にかけてみるというのなら――…

私は、ここで貴方を殺しません」



リリスはハッキリと言い切ると、クロアの瞳を覗き込んだ。


クロアの意思を、確かめるために。


だがその瞬間、視界が陰ると同時に唇に柔らかい物が触れる。




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