人形の微笑




「っ!?」


突然のことに、リリスの体が硬直した。



しかし、それも一瞬の出来事。



リリスがそれを口づけだと認識した時には、クロアは顔を離していた。




…………それでも、至近距離。




漆黒の両目に驚いた表情のリリスを写しながら、



「もう一度聞く必要は無いよ。………言っただろ?

俺はリリスを信じてる、って」


迷いの無い目をしてクロアはそう言い切ると、リリスを安心させるように微笑した。



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