人形の微笑




断末魔を上げながら、血を吹き出して倒れる男。


ソレから素早く距離をとると、リリスは殺し損ねた獲物がいないか気配を探る。


さっきまで、木の上や茂みの中に数人隠れていたが――…それも全員殺した。


もう、この周囲に敵はいないようだ。



「―――…ふぅ」



リリスは一つ息をつくと、周囲に生い茂る木々と遠くの方にそびえ立つシルヴ城を仰ぎ見る。



――リリスは今、城の外の森の中に居た。


もちろん、散歩をしている訳では断じて無い。


全ては生き残るため、作戦を成功させるための行動だ。




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