人形の微笑
他にも愚かだったり無防備だったり、間抜けだったり。
一言で言うなら……アホだった。
『私はこれから、こんなにも殺し甲斐の無い奴を殺すのか……』
そう考えたら、ため息が出そうである。
だがしかし、アホにもアホな事をする理由がちゃんとあった。
『リリス、今日も笑わねぇな…』
きっかけは、一ヶ月前。
家庭教師と教え子として、始めて出会った時だった。
―――なんて美しいんだろう
その姿に目を奪われた。
より簡潔に言えば、一目惚れだった。