人形の微笑




コルトが錯乱状態に陥っている今なら、『殺さない』交渉も可能かもしれない。


私はそう思いながら、コルトを包む木の方へ一歩踏み出し――…


「…………え?」


思わず、戸惑いの声を漏らした。何故なら、


「なんだ……これは」


金色だった私の髪が――…焦げ茶色へと変化していたから。


驚いて、自分の髪をわしづかみにしてジロジロと眺める。


先程まで、確かに金色だったはずなのに――…


「――…何故、だ?」


何度みても、やはり私の髪の色は焦げ茶色のまま。




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