人形の微笑




『本当は、俺がリリスを守ってやれればよかったのに……』


――そう考えかけた瞬間、



―――――ヂィンッ!!!!



金属と金属の擦れ合う、不快な甲高い音が耳に届いた。


「ッ!!」


クロアがそちらの方を向くと、そこには金と銀の光。


恐らく、リリスとコルトの髪の毛が陽光に反射しているからだろう……

光り輝くその場所は、周囲から若干目立っていた。


『……よかった、見つかった』


そう思ったクロアは、目を凝らし二人をよく見ようとして――…



リリスがコルトに銃を向けられているのが見えた瞬間、クロアの頭が真っ白になった。




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