人形の微笑
「……え?……ってうわぁ!!」
その急激な体の変化についていけず、クロアはその場に座り込んでしまった。
ガクガクと震える身体。いつの間にか全身にびっしょりとかいていた汗。
「はぁ……っ、はぁ…っ」
しかしクロアは、荒い息を吐きながらもその場に立ち上がろうとする。
その瞬間、
【まだ立つでないぞ?我の顕現に魔力を使い果たしたからな、しばらくは立てまい】
落ち着いた、低い男の声がクロアの耳に届いた。