人形の微笑
「いや、なんでって………」
予想外の言葉に、クロアは普段の口調でルスカに答えた。
「だってルスカ様、国の守り神じゃないですか……」
かつて王族の祖先が崇め、祝福を授けた【金属】の神。
それが【ルスカ】。国の名前も、その神の名前が由来だ。
その領地に多くの鉱山を抱えているのは、ルスカが国の守護神だから。
なのに――…
【ふむ。今度の主は面白き奴じゃのう】
国を離れて、なんでこんな異国の地にいるんですか。
っていうか、
「あのー…主、って………?」
一番訳が分からないのは、そこ。