人形の微笑



――何故、そんな簡単なことに思い至らなかったのだろうか。


クロアはルスカ国の第三王子なのだから、婚約者がいて当たり前だろうに。


……何も考えずに告白してきたクロアが馬鹿だったのか、


……それとも、そんなクロアの事を本当に好きになった、私が馬鹿だったのか。



「…………………」



どちらにせよ…これで、私達の結ばれる可能性は無くなっただろう。



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