人形の微笑
「………くそっ」
その事実が胸をえぐり、リリスは顔をしかめた。
思った以上に辛い、事実。
王族ではない。
魔力を持っていない。
神を宿していない。
そんな理不尽な理由で、この恋を…諦めなければならないのか。
やっと気付いた、この気持ちを。
「………………あぁ、私が、」
私が、ネネ様と同じ立場だったらどんなに良かったか。
王族として生まれ育っていれば、どんなに嬉しかったか。
そうしたら、きっと……