人形の微笑



「………くそっ」


その事実が胸をえぐり、リリスは顔をしかめた。



思った以上に辛い、事実。



王族ではない。


魔力を持っていない。


神を宿していない。



そんな理不尽な理由で、この恋を…諦めなければならないのか。


やっと気付いた、この気持ちを。



「………………あぁ、私が、」



私が、ネネ様と同じ立場だったらどんなに良かったか。


王族として生まれ育っていれば、どんなに嬉しかったか。


そうしたら、きっと……


< 285 / 343 >

この作品をシェア

pagetop