人形の微笑
「………………姉さん?」
その時。
探るような、気遣うようなコルトの声に、リリスはハッと意識を取り戻した。
……どうやら、クロアの隣に並べない事が悲しくて………
柄にもなく、ネネ様に嫉妬していたようだ。
『天下の[冷酷人形]も、落ちたものだな』
そう考え、私は自嘲めいた笑みを口元に浮かべると。
「……見苦しい所を見せて悪かったな、コルト。
…一人に、させてくれないか」
私は努めて落ち着いた声で、コルトにお願いした。