人形の微笑
「なっ……!!私には、舞踏会など似合わない!!」
「そんな事ないよ?」
ネネは無邪気に笑うと、狼狽するリリスの格好を見た。
仕立て直したドレスに身を包んだ彼女は、女の私から見ても綺麗。
令嬢だ、と触れ回っても恥ずかしくないほどの気品と色香。
愛くるしく整った顔。
これのどこが、『舞踏会に似合わない』なのだろうか。
『………まぁ、いいわ』
ネネは、その疑問を振り払うように頭を振ると、もう一度自分の目的を再確認した。