人形の微笑



「………ふぅ」


リリスは一つため息をつくと、静寂に包まれた部屋の中で目を閉じた。



『ルスカ様と視線が会った瞬間に感じた郷愁。

頭に響いた女の声と、


【ルカ】という言葉……』



リリスには、訳のわからない事ばかりだ。


それ以外にも不可思議な事といえば……私とクロアがイリカ国から逃げ出したあの日


勝手に動き出した樹の事だって、ある。



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