人形の微笑



「…………は?」


突然現れ、リリスのことを『主』と呼んだ美女に、しかしリリスは覚えがない。



「…………誰」



クロアに抱きしめられたまま、顔だけをそちらに向けて問えば。



【我が名は、リア。樹を守護する神である


主が生まれ落ちてからずっと、主の中に宿っていた】



美女は、背筋を伸ばし……厳かにそう告げた。


……それを聞いたリリスとクロアが、信じられない思いでお互いの顔を見合わせたその時――…





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