人形の微笑



「………………」


リリスは無言で剣を引くと、さやにおさめてドレスの隠しポケットに仕舞った。


そして、未だ安眠しているクロアを睨みつける。



『これほどの殺気を浴びても察知しないとは……』



――バレてはいけないと思いつつも、


どれだけの殺気を浴びたら、このアホ王子が身震いするか……


好奇心から、つい試してしまったが……。


まさかここまで鈍感だとは。



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