人形の微笑



クロアは歌うのをやめると、上半身を精一杯伸ばしてリリスを抱きしめた。


細く華奢な体と、彼女の放つ甘い匂いに惑わされそうになる。


我に返り、身体を強張らせる動きすら愛しい。



しかし。



それは――リリスにとってもクロアにとっても、


予想外の事態を招く事になった。




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