人形の微笑



「くっ、クロア様ぁ!!そういう時はドアを……

……って、足が椅子に縛りつけられてるじゃないですか!?

一体ここで何が……ってリリス大丈夫!?」


その人物は色々と喚きつつ、リリスの上からクロアを椅子ごとどかした。


リリスはすぐに立ち上がると、自分の身体を素早くチェック。


……どうやら、怪我をしたという事は無さそうだ。


幸い、足も椅子の下敷きにならなかったし。


リリスが安堵のため息をついた瞬間、


「あっ、リリス!!

ぼーっとする前にこのロープ解いてよ!!」


顔を真っ赤にした、同い年の少女が声を上げた。



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