人形の微笑



パタン、と扉を閉める。


それと同時に、


「……そういう物なのか」


納得したような小さな声と共に、リリスの足音が遠ざかっていく。


「…………はぁ」


それを聞いたメルカは一つため息をつくと、


部屋の中で足をさするクロアの方へ駆け戻った。


「足、大丈夫ですか?」


心配になって聞くと、


「ん?あぁ、大丈夫だよ。ちょっとキツかったけど」


クロアは朗らかに笑った。


その笑顔に安堵したメルカは、


つい、口を滑らせた。



< 67 / 343 >

この作品をシェア

pagetop