鬼門センター
私が 初めて この部屋に
引っ越してきた夜
見た夢が
全ての マエブレだったのかもしれない。

それまで 経験した事のない
金縛り なるものも
このとき 初めて
体験した。

その夜 見た夢が
どんなものだったか、
それは 覚えていない。
だけど、たしかに
魘されて目覚めた事を
鮮明に 覚えている。

私の部屋は
南西側に位置している。
その南西の先には
市民病院がある。

霊が妙な物音をたてる
うわさばなしは
同僚もよく話題にしていた。
当初、この部屋は
営業所と寮が、併設されていた。

私の転勤後、一年は何もなかった。
その一年の意味はわからない。
しかし、二年後から 起こる
数珠つなぎの出来事は
やはり、誰かの仕業
だと 思いたい。
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