time-きみの隣で。-
「美波。」
教室の扉から健ちゃんが顔を出す。
「あ...。」
「いいよ、美波。先帰って。
私はもう少ししてから帰るから。」
「...そっか。気をつけてね?」
美波は少し不安そうな顔をしながら
健ちゃんと帰っていった。
教室の窓から
夕日がさして
1人の私を淡く照らす。
ガラガラー...
そのとき教室の扉が開いた。
美波かな?
忘れ物でもしたのかと
振り返ると
「...こんちは。」
知らない男が立っていた。