time-きみの隣で。-
一枚のドアを隔てた向こうに
あいつの...翔太の彼女がいるんだ....。
「翔太が、そんなことするわけないって
信じてるけど...。」
「そうだよ、くるみが信じなきゃ、誰が信じるのよ?」
「でも、紅林さんほんとに美人だもん...」
「あのねー、くるみも十分かわいいからねっ?
てか、私は紅林よりもくるみの方が可愛いと思うし。」
「紅林なんて顔だけだよ。
くるみさ、あの沖野が惚れたんだから
自信もちなよ!」
言葉一つ一つが針となって私に降り注ぐ。
いつもならこんな言葉どうってことないのに...。
私はそーっとドアを少し開けて
女の子たちを見た。
スリッパの色...
3年生か...。
3人いたけど
私は―――
すぐにくるみがわかった。