君に、この声を。
「わかんない」
怜の問いかけに曖昧に答える。
るなが合唱団辞めるかもしれない。
ほんとならここで、朱莉に相談したように怜にも言うべきだったのかもしれない。
でも、そのせいでみんなの気が散ってしまうのなら言いたくなかった。
「そっかぁ」
怜の表情ご少し暗くなった。
もしかしたら、怜はるなのことが好きなのかもしれない。
だから、こんなに心配してるんだ。
「せんせー、るなは?」
ピアノの前で話していた崎田先生と奏太の間に入り込んでいく怜。
崎田先生はチラッと怜を見て、首をかしげた。