君に、この声を。
「ねぇ、教室で智那にひどいこと言ったって本当?」
まさかの質問。
佐々木さんはクラスが違う。
なのに、なんでその事を知ってるんだ?
「なんで?」
「智那がその日暗かったから。きいてみたら、合唱団辞めるっていい始めるし。もしかしてって思ったんだけど――図星っぽいね」
俺はいたずらが見つかって怒られた小学生のようにうなずいた。
それを見て、「やっぱり」と小さくため息をついて佐々木さんが続けた。